大阪は阿倍野。
ムッシュからミスターに変わったムシパン。
経営方針を変えはって、全国にチェーン展開中です。
いろんな評判を聞くものの、
正直ここのところムシパンから心が離れていた私にはなにも言えない。
いや熱烈ムシパンファンの人にも、もしかしたらなにも言えないかもしれない。
それが店主さんの選択なのならば。
ちょっぴり微妙なスタンスながら、「一度本店の味を確かめたい!」と
やって来た方に同行させていただきました。
王子(推定年齢6歳)にお会いするのもお久しぶりです。
王子なのにTシャツ。気さくなお方なのでしょう。
まず思ったのが「静的だ」ということ。
以前はお店に蒸し器などもあった気が。
ほかほかした雰囲気のなか、妙に楽しげな店員さんがわらわらといてはって
「どれだけムシパンの原価率が低いとしても、これだけの従業員さんに
給料が払えるのだろうか」
と背後に何らかの組織の関与までをも疑ったムッシュ時代。
今はとてもstaticでした。
左:ナタデココムシパン
右:ミスタームシパン(プレーンタイプ)
(同じに見えるが違うのよ)
「ミスタームシパンは、前はもっと白くありませんでした?」
「見た目は他店と同じ感じです」
検証者は言う。
おそらく同じ予感を共有しつつ、ミスタームシパンからぱくり。
弾力は、あります。
しかし以前の「おおおっ、生きている!」てほどの押し返し力は感じられず。
もう1つのほう、ナタデココにはヨーグルトクリーム、ナタデココ、パイナップルと
アプリコットが入ってて上には黒胡椒がわずかにトッピングされており。
200円なり。
この取り合わせの必要性が私には分からなかったです。ごめんなさい。
「本店のムシパンも他のチェーン店と同じ感じでした」
他店のは知らない私もそんな気がします。
私は、例えばパンならパン自体というより、お店を含めてのパン好きなのです。
店主さん、スタッフさん、品物。そしてお客さん。
それぞれが合わさって醸し出して、時間をかけて
お店にしみこんでいる空気が好き。
最新の理論でマーケティングしたり流行を分析してお洒落な店舗を作っても、
そのお店だけの空気は作れない。
「今自分もその空気の一部なんや」と思うと嬉しくなってくるようなお店が
私にとって大切で、「お店」なのです。
電車に乗ったり歩いたりしても足を運びたくなる、お店。
品物があるだけなら「売り場」なのです。
「ミスター」への転換も、見える部分ではがらりとした変化ですが
店主さんの連続した考えの1つの表明。
今と以前を比較すること自体、意味が無いかもしれません。
でも。
今は無きムシパンボーイ、かわいかったな。