仕事が早く終わった。
でもまっすぐ帰りたくない。
行きたい所で行ける所は……
そうそうっ!
藤田嗣治。
おかっぱ頭に丸眼鏡でちょびひげ。
乳白色の人物画で、「パリの寵児」となった人。
とある共通点を知って勝手に親近感を抱いてはいたものの、
知っているのはそれくらい。
自宅兼アトリエでは、食器やカーテンなども手作りして
心地よい空間を作り上げたり、
晩年は洗礼を受け「レオナール」の名を得て
キリスト教者として制作に励んだこと、
柔和なおじいさんの顔になってはったこと
若い時代のエキセントリックなイメージが強かったので
新たに知ったことが多くあった。
これだけの平面を埋めるだけのモチーフを内に持つとは
どういうことだろう。
表現せざるを得ない激情はどこから湧くのだろう。
これでよし、と筆を置く見極めはどうつけるのだろう。
考えながら帰りの電車に乗っていた。
と、レオナール・フジタに浸って梅田まで帰ってきまして。
そうそうっ、気になってたパティスリーものぞいてみようっと思ったら
『臨時休業』
がーーーーん。
レオナールについて考えろ、という日やったのね、きっと…。